ルンビニ幼稚園を開いた故角田定證和尚（多門院第25世住職）は、お釈迦さまがお説きになった仏教の基本精神である「悉有仏性（しつうぶっしょう：誰もが仏様のような優れた能力を秘めている）」とういう教えに基づき、子どものもつ能力を成長に応じて精いっぱい開花させることが最も大切なことであると考えました。
　また、真言宗の開祖である弘法大師空海が、平安時代という遠い昔でありながら、その当時の幼童児たちのために『綜芸種智院（しゅげいしゅちいん）』という庶民を対象にした学校を開設した業績をうやまい、その心をこの地に具現しようという熱意を持っておりました。

　昭和16年6月、ルンビニ幼稚園はこれらの仏教精神を根幹に捉えた、ごく小さな保育施設として近隣の幼子達を初めて迎え入れました。園名は古代インド（現ネパール領）の釈尊誕生の聖地である「ルンビニの花園」からいただき、子どもたちにお釈迦様のように育ってほしいという願いが込められています。
そして、開設当初のその精神は園名と共に今もなお大切に受け継がれ、仏教保育を展開しています。